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思いもよらない言葉に驚きながらも、少しでも自分の気持ちを伝えることができたのだと思うと嬉しかった。
この時の私はきっと、自分がこの時代に来たのは新選組のみんなにこれからのことを伝えるため、それを伝えたら私はもとの時代に戻れる。
そんな風に単純に思っていたのだろう・・・。
私はなれない下駄でつまづきながらも必死に原田さんの背中を追いかけた。
そんな様子を見て、原田さんは私のペースに合わせて歩いてくれる。
そんな原田さんの様子を見て、私は少し恐怖心が薄れた気がした。
「あそこが屯所だ。」
少し狭い道に入ってみると、そこは小さな家々が軒を連ねていてまるで小さな村のようだ。
そんな中、原田さんの視線をたどってみるとそこは“壬生寺”だった。
(ここ、壬生寺・・・。あっ、屯所だったって書いてあったっけ。)
「じゃあ、ちょっとここで待ってろよ。」
「はい。」
私は屯所の少し離れたところで待っていた。
原田さんが門番をしている隊士に何かを言って、中に入っていくのが見える。
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