始まりは。

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気がつくと部屋の中は夕焼けのオレンジ色に染まっていた。 その時カタッ という音とともにふすまが開き、原田さんでも藤堂さんでも沖田さんでもない、別の隊士が立っていた。 「ついて来い。」 その人はただ一言そう言って、背を向けて歩いていく。 私は言われたとおりその人の後ろをついて行った。 「・・・・・。」 (この人、全然しゃべらない。) そう思ってふと下を見ると、その人は右に刀をさしていた。 「“斎藤一”、さん?」 「ん?」 その人は急に立ち止り、私の方を向いた。 「何故、俺の名前を知っている?」 小声で言ったつもりがばっちり聞こえていたらしい。 鋭い目つきで見られ、私はまた無意識に自分の手を握りしめた。 「そっそれは・・・」 「未来から来たから。とでも言うのか?」 「えっ?」 「まぁ、よい。副長達が待っている。来い。」 (副長って、土方さんだよね?“副長達”が待ってる。ってどういうこと?) そんな疑問を抱きながらも斎藤さんの背中を追いかけた。 「失礼します。」 斎藤さんはそう言ってふすまを静かに開ける。 私は握っていた拳をより強く握り、中に入った。
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