第1章

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「一つ言いたいことがあるんですが、いいですか?」 「……いいよ」 自分の中でさっきの言葉に納得いかないんだが、まあ後々聞くことにしよう。 「私……あなたのストーカーです」 「……はい?」 今、彼女は何て言った? あなたのストーカーって聞こえた気がしたんだが、気のせいと信じたい。 「いや、ストーカーというより追跡といった方がいいんでしょうか?」 「いまさら言いかえられても困るんですけど」 気のせいじゃなかった。本当にストーカーされていたらしい。でも追跡って事は探偵ごっこでもしていたんだろう、そうに違いない。 「それは探偵ごっことかじゃ……」 「ないです。あなたの事が気になっていたので追跡させてもらいました」 探偵ごっこでもなかったか。これは本物のストーカーということなのか。ちょっと頭の中がゴチャゴチャになってるからにゃんこでも見て落ち着かないといけないな。 周りを見てみると先程までいた猫は一匹もいなくなっていた。 「……猫がいなくなってる」 「私が白川君と話している最中にはいなくなりましたよ」 「そっか」 これはもう受け入れるしかない。金山さんは俺のストーカーということを、追跡していることを。
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