第1章

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いつの間にか自分の中で思っていた感情が表情に出てしまったようだ。 「……うん。こんな俺でいいなら友達になろう、金山さん」 「ありがとう。後、今日の事なんだけど、忘れてほしいけど忘れないでほしい。矛盾していると思うけど、お願い」 「難しいけど、わかった。約束するよ」 忘れてほしいけど忘れないでほしい、か。告白したことをなしにはしてほしくない、そして、告白したことで友達関係がギクシャクしてしまうのが嫌だから、ということだろう。 何故彼女はここまで優しいのだろうか、そして何故自分は無力なのだろうかと考えてしまう。 「じゃあ、月曜日にまた会いましょう」 「うん、また月曜日に」 そう言って金山さんは公園から去っていった。 俺はしばらくその場から動くことが出来なかった。 結局家に帰ったのは18時前だった。晩御飯の前に帰れて正直よかった。 すぐに部屋に向かうとベットの上に転がり込んだ。そして、天井を見つめながらさっきの出来事を思い出す。 「よかったのか、あれで……」 「よかったのかって……なにかあったの?」 いきなり声をかけられて驚いたため、俺は勢いよくベットから起き上がり声がした方を見てみると母さんが立っていた。 時間的に晩御飯の時間なため呼びに来たのだろう。
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