第1章

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約30分くらいで入学式を終え教室に戻った俺達は、高校の過ごし方など聞いて下校することになった。 「雅ー、一緒に帰ろー」 「……」 「雅、疲れたような顔してるけど、どうかしたの?」 「萌子か、いや……大丈夫だ。早く帰ろう。そして寝る」 本当に疲れた。主に精神的に。明日は運よく土曜日だから対策を考えておこう、本気で。 約20分かけて自宅へ帰って来た俺達はすぐに部屋に向かった。 「……何故お前も部屋に入るんだ?」 「? 帰っても暇だからだよ」 正直精神的に疲れたから寝たいんだが。 「雅と一緒に読もうかなと思ってさー」 萌子はそういうと鞄から一冊の雑誌を取り出した。 「……ぜひともそれを譲ってはいただけないでしょうか」 「とりあえず読んでから考えるよ」 その雑誌は猫の写真が多く載っている雑誌。定期購読しているのだが、春休みでゴロゴロ過ごしていたため忘れていた。 にゃんこ好きで悪いか? にゃんこが可愛すぎるのが悪いんだよ…… 「……」 「この子可愛いよねー」 「……」 「……雅?」 「……可愛いにゃ……可愛いな」 表紙を見ただけで疲れが飛んでいったな。やはりにゃんこは偉大だ。
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