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一年前の雪がまだここにあったとして
そしたらきっとふたりもここにいて
残った雪をかき集めて
小さな雪だるま つくってたかな
でももうそんなこともない
一滴も残さず消えた
春の暖かさや夏の日照りが
ふたりの思い出を解かしていく
あの冬はきっと幻想だ
きみがいたこともきっと嘘
私の頭が病んでるんだろうね
一年前のきみがすぐそこにいたとして
そしたらきっとふたりは抱き合って
「久しぶり」なんて言って
笑い合うんだよ 幸せそうに
でももうそんなこともない
今はきみだけがいない
雪の積もった真っ白な庭で
きみと遊ぶのが大好きなのに
その冬はもう二度と来なくて
庭の雪は誰も触れることなく
ただ解けて無くなるのを待つだけ
最後の冬になるなら
もっとふたりでいればよかった
私、まだ何も伝えてないのに
きみと、きみのいる冬が
本当に大好きだったんだよ
もう冬なんて来なくていいって
きみのことも忘れようって思ってた
もうボロボロだったんだ
また今年も冬が来て雪も降る
庭にもいっぱい雪が積もるよ
どんな姿のきみだって構わない
また一緒に庭の雪で遊ぼう
解けてしまう前に全部使って
雪だるまでもいい 雪合戦でもいい
きみがいるならきっと笑えるの
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