クリスマス短編

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-Tu-Ki- ハルちゃんかわいかったなぁ。 よかった、あの子には本当に幸せになって欲しかったんだよね。 世間的に見てどうなのかはわからないけれど、あの子は今間違いなく幸せだ。 それに、サンタ!! サンタも恋をするんだ。 何だか嬉しくて、ニヤニヤと笑みを零してしまう。 サンタがあんなに顕著に表情を見せた事があっただろうか? きっとないだろうね。 僕は初めて見たよ。 僕はサンタに十分なお礼が出来たかな? いつも僕の視界を遮る雲をはらってくれるお礼、出来ただろうか? 素敵なクリスマスだったかなぁ? サンタは、聖夜の奇跡を感じたかな? まぁハルちゃんが何よりも嬉しいプレゼントだよね。 ハルちゃんへのプレゼントも、あれにしといてよかったなぁ。 大きな影と小さな影が、トナカイがひくソリの上で寄り添っているのが見えた。 今は兄弟みたいだけど、早くハルちゃんが大きくなってサンタと同じ位になって、少しは恋人らしく見えるようになったらいいね。 その時にそう願えば、ハルちゃんもサンタクロースにしてあげちゃお。 ふふっサンタとハルちゃんにもう一回プレゼントだね。 きっと二人は幸せに暮らしていけるよ。 あぁ本当によかったなぁ、喜んでくれて。 サンタもまさか僕が仕掛けたなんて思わないよね。 あぁ、嬉しいなぁ。 人の為に何かすると、こんなに優しい気持ちになれるんだ。 また来年のクリスマスまで暇だけど…… でも、僕も嬉しいなぁ……あれ? ……何だか、ソリの影が大きくなってる? 僕に近付いてきてる? あれ?あれ?
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