クリスマス短編

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毎年プレゼントを配るだけのサンタがプレゼントを貰ったら、どんな顔をするんだろう? 何をあげれば喜ぶかな? 普通の物じゃつまらない。 クリスマスに相応しい、奇跡のような出来事をプレゼントしないと。 何がいいかな? 友達? ──トナカイがもういる。 恋人? ──サンタも恋をするのかな? これは興味深いテーマだ。 ずっとサンタを見てきたけれど、サンタが誰かを想っているのは見たことがない。 普通、恋人がいれば恋人の写真でも持ち歩くだろう。 大変な仕事の合間には、その写真を眺めて疲れを癒すものだ。 だけどサンタは、一度もそれをしたことがない。 横顔は無機質なままだ。 ──そうだ、これがいい。 出会いをプレゼントしよう。 そのあと二人がどうなるのかは二人次第。 クリスマスの一夜で、サンタはどんな物語を僕にプレゼントしてくれるんだろう? 口元が緩むのを感じた。 早速チャンスを落とそうじゃないか。 そう思い立ったと同時に、僕の所へ珍しいお客さんがやってきた。
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