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「なんや、また来たんか。」
THE EIGHTの二階、ジョニーの部屋で。
開け放した窓からの月明かりを背負って立つ『アイツ』の表情はエースからは見えないが、確かに笑ったようだった。
おんなじ顔なのに、まるで違う笑い方。
気圧されるような、触ると切れそうな。なのに人を惹きつけずにはいられない危うさで。
ジョニーはもっと。
ふにゃあというか、へにゃあというか、なんとも形容のし難い気の抜けるような。
見ているこっちまで引き込まれて口元が緩まる懐っこさで。
…どちらも同じはずなのに、何故。
「いくらでも来るわ。ジョニー返して貰うまでな。」
静かに閉じた部屋のドアを背に、エースは悠然と笑い返した。
対峙する『アイツ』にはっきりと見えるように。
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