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…阿呆やなぁ、アーセナル。
ガムはそんなこと最初から百も承知やで。
『こいつらなぁ、ニンゲンの十分の一ぐらいの時間しかいてくれへん。
俺との関わりなんて、その短い時間のそのまたほんのちょっとのもんだけや。
やから、一緒にいるその瞬間に欲しいもん欲しいだけあげたいんや。
それで満たされれば、こいつらには幸せな記憶だけが残るやろ?
なぁ、知っとる?
こいつらに「また今度」なんて通じひんのやて。
次て期待する時間考えてる間に過ぎていってまう。
欲しいそのとき間に合わな意味ないんや。
零か全部か、どっちかなんや。』
ガムのヤツ、エイトルール破って俺に叱られる度にそう言いおる。
優しくて、哀しくて、やからこそ強くて、逞しくて。
いつだってどんなときだって、真っ直ぐ前を見据えるあの横顔、アーセナルかて知ってるやろ…?
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