ブラック・アウト 2

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アーセナルの前、同じようにしゃがみこんだ姿勢のまま、マックはわざと乱暴にその頭を小突いてやった。 「大丈夫やて。ガムのヤツ、一回寝たら朝まで起きひんやろ。」 頑なに俯いた横顔を動かすにはもう一歩。 自分のことを決めるとき、迷いをみせないアーセナルの強さは、隣にいる人間を安心させる。 そんな彼が立ち尽くす時とは、必ず仲間の誰かのためだから。 「朝まで此処におったら、ガムだけやのうて皆にもバレてまうで?」 わざと口にした意地悪い台詞に、アーセナルの肩が揺れる。 「それにガムは寝んのも早いけど、起きんのも早いしなぁ。」 「!そやかて…、コイツのこと、このままじゃ…」 跳ね上がった顔は歪んで、今にも泣き出しそうで。 戸惑いを浮かべたままの瞳に、視線を定めたまま、先に立ち上がった。 「行くで。」 「…?」 改めて差し出した左手。ゆっくりと握り返されるのを待って導いた。 今、俺らに出来ること。 「そいつ、埋めたらな。 見送ってやるんやろ?」
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