MOON CHILD 1

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「…俺かて『ジョニー』やのに。」 苦々しく吐き捨てる本音は一瞬。 聞き返す猶予は与えず、寄りかかった窓枠からふらりと離れて、ゆっくりと近づいてくる。 傾いて差し込む月光に照らし出されるのは、ホクロのある右側の口角だけ上げるシニカルな笑み。 …コイツの顔でやられると凄みが違う。 思わず見惚れてただなんて、口が裂けても言いとうないけれど。 気づけば10センチの身長差、見下ろされる至近距離に迫られてた。 昼間のジョニーなら絶対に見せないであろう熱を持って潤んだ瞳。 洗い立ての軽く波打った柔らかい栗色の髪と、挑発するくすくす笑いで洩れる吐息が首筋を掠める。 自分と同じシャンプーの香り、香水を纏わないジョニー自身の匂いにくらくら目眩がする。
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