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確かに昨夜、ジョニーの様子はおかしかった。
いつものように日付が変わってから戻ったTHE EIGHT。
その人気のないホールのカウンターで、ひとりぼんやり酒なんか飲んでるから。
こっちも酔った勢いと人恋しさで、普段やったらスルーのとこ、近づいて声かけた。
自分よりもさらに強く酒の匂い纏わせてるくせに、ちっとも酔ってる風に見えんかったジョニー。
『なんや、お前が酒なんて珍しいやん。』
『そ?エースは相変わらずやね。ちっとも変わらん。』
『は?俺かて変わるわ。ずっと一緒の人間なんておれへんやん。』
『…そやね。そうかも。』
微妙に噛み合わない会話。
どこかここではない、遠くを見て淋しそうに微笑むその横顔。
隣にいるのに、そのままふいと消えてしまいそうで、目が離せなくなってた。
だから、ぼそりとつぶやいた一言。
『…?なんや、お前変やぞ?』
その何気ない言葉が、ジョニーの何処に障ったのか、俺にはわからんかった。
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