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…なぁちょっと。さっきから近いねんて。
なに、この手。コイツにこんな風に肩抱かれたことなんてないやん。
普段からヒトとヒトの距離感は読めるヤツだったはずなのに。
まぁ、俺はそれを重々承知の上で、たまにからかって必要以上にベタベタして、コイツを不機嫌にさせて遊んでたんやけど。
いつものポジションとまるで逆。
あぁ、こんなにもペース乱されることやったんや…。ちょっとだけ反省したるわ。
唇の片方、ホクロのある方だけ僅かに口角あげて微笑んでくる。
妙に艶っぽく見えるのは、地下空間の抑えた照明が作り出す陰影のせいだろうか。
ぼんやり考えるうちに、一層近く抱き寄せられる肩。
いくらなんでもこれは嫌がらせも、親友レベルも越えてもうてるんやないか、いい加減押し返したろかと思い始めた頃やった。
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