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わざと耳の傍まで寄せた唇で、でも周りのみんなに聞こえるように、いっそ見せつけるように、ジョニーは甘い声で囁いた。
「なぁ、エース?河岸変えて飲み直さへん…?」
「はぁ?俺来たばっか…」
俺の返答なんかお構いなしに重ねられた誘い文句。
「つれないこと言わんと、ええやん?な…?」
「…え」
深く考える間もなかった。
そのまま極々自然に絡み合った視線ごと引き寄せられる。
閉じることを忘れた瞳は、近づいてくるアイツを捉えたまま…
「…っ」
どれくらいの時間やったろう。
触れ合ったヤツの冷たい唇が離れてゆくまで、俺の思考回路は完全に停止しとった。
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