218人が本棚に入れています
本棚に追加
気づけば、両手を俺の顔のすぐ横で留めて。
視線だけでなく、その長い腕で俺自身の動きさえ制限しようとするように。
俺とジョニーの曖昧に築いてきた距離に割り込んで、近づくことも触れることも、いとも容易く飛び越えてみせるコイツの行動を、ジョニーはどこかで見ているのだろうか?
そんなことを考えて彷徨わせた視線に気づいたのか、俺と自分の中に向けて挑発するようにアイツの囁きが零れる。
「アイツは出てこないで?
アンタの声を聞いても、名前を呼ばれても…。
冷たいヤツやん。アンタがここまでしてやる価値ないやろ?」
「…も、俺にしとけばええやん。
なぁ、エース…?」
最初のコメントを投稿しよう!