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あれが“仕事”…か……。
――呆れに呆れ果て、哀れに思った。
周りの人集りは、この挑戦を受けるのに敬遠気味であった。
「何だー、居ないのかぁ?」
支配人・中崎の声がこの空き地に響く渡る。
その威勢とは裏腹に、出て来る者は居なかった。
「…………」
当の本人もネンマリ化し、気分が削がれ始めていた。
このままでは店仕舞いして、この場から立ち退くであろう。
そしたら、アイツと話が着けられなくなる。
五百か……。
ちと、財布にはイタイが仕方の無い事だ。
財布からその額に値する銭を取り出し、設置された箱に放り入れた。
「「「お?」」」
周りの人集りの何人か声をハモらせた。
勿論、この男もだ。
「お?次はアンタが挑戦すr……、!?」
「中崎……だっけな。俺のこと、覚えてるよな?」
「なっ!?お前っ!!」
この反応は、覚えている証拠。
ま…、当然だよな。
「お前が勝手に…『イカサマ師』、と呼んでる者(ヤツ)さ。
言っておくが……、俺はお前を蹴落とす為にイカサマをやってはいないし、今までもやった事は無い。有りもしない事を言い触らすな」
「はぁ!?フザケるなっ!!
アン時の、お前だけが勝ち続けの対局、誰が見てもイカサマをやったとしか見えねえだろうよ!!」
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