第1章 怪異な死体

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忠告に対しても、血が頭に上っているらしく、こう言い返してきた男。 それに、周りには人も大勢居るため、少し厄介かも知れない。 「『イカサマ』……?」 「どういう事だ……?」 中崎が口にした言葉を真に受けて、口々に言う人々。 あの中には仕事上で知り合った人物も居るが為に、『イカサマ師の自警団員』との烙印を押され、人里中に知られるだろう。 ま、“本当の事を知らなければ”――の話だが。 「言いたい事はそれだけか…?」 「あっ…?!」 「言いたい事はそれだけかと聞いているんだ。 あの時はただ、ツキが俺に回って来ただけで、イカサマでも何でも無い。それにこう言えば悪いが、お前は四人の中でも一番弱かった。 ――それを棚に上げて人の所為にする行為、恥ずかしくないのか?」 「くっ……!!」 その言葉は図星だった。 的確に突いて、中崎は言葉を詰まらせた。 「何だ、そういう事だったのか?」 首を傾げながら、人集りの一人がそう言うと、小声ながらもやいやいと言い出した。 信憑性が彼よりもあった、と言うことだな……。 ――そして、それは中崎が不利な状況と成る。 「うっ、うるせぇ!!お前はイカサマをしたんだ!!」 「……してねぇよ」 「っ…!なら、思い出してやるっ!!」
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