第1章 怪異な死体

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「さて……行くか」 気持ちも晴れ晴れとしたことだし、一息吐いてから歩き出した。 ――寄るべき場所を一つ、思い出した。 この人里では名も知れてる場所だ。 朝方はちらほらとしかいなかった人の数だが、今のこの朝の時間帯になると、随分と通りに出ている。 これで、この里にも活気付くってもんだ。 「ん…?ワッと…!」 後ろから二人の男女の子供が両脇を駆け抜けてきた。 「…………」 二人の子供は元気一杯にその先へと消えていった。 何やら、ゴール地点まで駆けっこしていたみたいだ。 ――擦れ違い様、その二人が楽しげに声を掛け合っていたのを聞いて、そう判断した。 この光景に通常、普通の人だったら『微笑ましい』、と思えるだろう。 ――が、自分はただ何気なく見ていた……。 あの子供らが走り去って消えた方向と同じ道を進んでいく。 そして、目的地(ゴール地点)も同じだ。 その場所、その入り口の目の前まで歩み、立ち止まった。 “寺子屋”。 ――人里に唯一存在する学び舎。 大抵の子供達は、此処で学んでいる。 主に“歴史”らしい。 受けた事が無いから、何を学んでいるかなんて詳しくは知らない。 ただ……そう、聞いただけだ。 この寺子屋で学ぶ子供から……。
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