第1章 怪異な死体

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筒の中身は一片の紙だった。 『ヒトザト、ナントウ、シュウゴウスベシ』 ――と、筆で書かれていた。 ……南東、か……。 正門から行った方が早いな…。 早速、目的地へ向かう。 ――歩いて。 この大通を通って、正門に抜けた時……。 「あ、時雨さん」 「ん……?」 正門傍で座り込んでいる一人の青年に、名前込みで呼び止められた。 「何か、何人か召集されてるみたいですね」 「……ちょっと待て……当然のように話してくるけど、お前誰だ…?」 「あっ……、すいません。俺、先日自警団に入りました新羅 舜治(シラギ シュンジ)です」 彼――新羅 舜治は立ち上がり、自己紹介を兼ねて挨拶した。 ……後輩って訳か……。 「時雨さんの事、色々聞いています」 「色々……?どんな事を聞いた…?」 「結構実績積まれている人と……睨まれるような事言いました……?」 「は……?」 「目ェ、鋭いですよ」 「…あぁ…、悪い……」 何時の間にやら、新羅を睨んでいたようだ。 どうやら新羅が言ったとある言葉に反応した為に、ついそんな表情をしたのだろう。 「……?」 彼が不思議そうな顔を浮かべたのは、無理は無いだろう。 ――何故、そうしたのか、理由が分からないからな……。
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