第1章 怪異な死体

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―――――――――――――― 歩いて数分後……。 目的地と思われる場所に着いた。 前方には何人か―……五人か…?―円を描くように屯していた。 其処に近付く。 「……よぉ」 「ん?おぉ、月見里か」 「んぁ?」 最初に気付いて声を掛けたのは、一期上の先輩である北上 片義(キタカミ ヒラヨシ)。 次に変な声を出したのは、同期の清野 拓弥(キヨノ タクヤ)である。 「なんだぁ?お前も来たのかクズ」 ――清野(コイツ)は、イヤな奴だ。 「伝書が来たんだ。来ない訳無いだろ……」 「ハッ、お前の事だからずっと博打やってると思ったぜ」 と、悪態吐くような事を言い、ニンマリと笑うのがコイツの特徴。 正直な所、コイツは嫌いだし、嫌ってる奴も自警団や人里の住民の中にも居る。 「……お前よりはマシだ。何もしねぇで、腐れ仲間連れてただ偉そうに道を歩いてるお前と比べればな」 「っ…!何だと……!?」 コレが嫌われている一つの原因だ。 清野は後ろに居る二人の仲間を従えて、人里を我が物顔で歩いてる。 ――更に、コイツには悪い噂が流れている。 人の事は言えない立場ではあるが、コイツは別格でキツい言い方をしてしまえば、“自警団の恥曝し”と言っても良いだろう。 今日、仕事として来てるのが珍しい光景だ。
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