第1章 怪異な死体

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暫く二人の間に、沈黙が流れた。 その中で、考えた――関連性を。 必ず関連性はある筈だ。 ――でなければ、“半妖怪化”の説明はつかない。 ……が、分からない……。 情報が無さ過ぎる為だ。 「あ゛~っ!さっっぱり分からん!」 北上さんが声を荒げながら頭を掻き毟る。 彼もこの最大の難問に、頭を痛めたようだ。 無理もない、己だって考えただけで頭が痛い。 「兎に角、そういう事に関しても地道に調べ上げていくしかないな」 と、言い終えてから水を一口飲んだ。 「……あぁ」 言葉はここで尽きた。 聞こえるのは、座敷席からの酒豪らの喧騒と食器類がぶつかり合う音。 「……まさか、これを聞くためだけに俺の所に来たんですか、北上さん……?」 何かそんな感じがし、本人に訊いてみた。 北上さんは「ん?」と声を出し、最後の水を飲み干し答えた。 「そのまさかさ」 「…………」 “まさか”の答えを聞き、唖然に呆然。 彼に焦点を合わせたまま、人形のように見続けていた。 暫くしてから猪口の酒を一気に呷った。 それを見てなのか、隣の人は笑ってけう言い放った。 「はは、冗談さ。実は仕事の話があって、それを伝えに此処まで来たのさ」 「仕事……?」 自警団としての仕事だとは、すぐに分かった。 はて……、一体どんな仕事だろうか……?
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