第1章 怪異な死体

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……さて……、情報でも集めてみるか……。 そう思い立ち、再びとある場所へと足を運ばせていた。 「――それでまた来たって訳か」 「……あぁ、悪いな」 ――寺子屋だ。 「いや、気にして無いよ。人里の為にやっている事を、私は邪険するつもりは無い――と言うより、しない。私が出来ることならば協力するよ」 「……頼む」 小さいながらも感謝の意を表すために頭を垂れさせた。 「それで、失踪事件の情報提供か……。 私もコレが起こった時から独自に動いてるのだが……」 流石は慧音……。 ――自警団よりも先に動く人だ。 「――……何分、私も情報を掴めてない」 しかし、少し険悪気味な表情を浮かべた彼女の口から出たのは、大方予想していた通りの言葉だった。 力は弱かったが、歯を噛み締めた。 「……失踪する理由が全く無いからか……」 「うむ……そうなんだよ。誰一人も共通するような理由が無い。……ある意味共通の理由だな」 「…………」 進展無し……。 行き詰まりを感じた。 ――が、慧音が一つ語った。 「それで一つ考えたんだが、失踪する理由が無いとなると“連れ去られた”んじゃないかって思うんだ」 「え……?」 そう聞き返すような声を漏らし、彼女が言った事を考えてみた。
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