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目に映る和成は、上下が逆さま。
ほんの目と鼻の先にいるのに。
わざとなのかどうか分からないけれど、目を合わせようとはしてくれない。
こんなに辛い体勢で、じっと見つめているのに。
彼はテレビ画面のほうに目をやったまま、動かない。
「せんぱあい」
「なに?」
血が上ってきたような気がして、クラクラする。
「……せんぱい」
ようやく絡んだ視線は、熱っぽくて。
どこからか甘い香りが流れてきたような気さえ、した。
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