Ⅱ

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「やべ……」 キスの合間に零れる彼の声が、やけに遠くから聞こえてくる。 耳が、もう機能するのを拒否しているのかもしれない。 これ以上は、もう。 許容しきれないはずなのに。 やめてほしくない。 「あー、もうっ」 突然離れていった熱い体温を追いかけるように、恵美は腕を伸ばす。 なのに、和成は強くそれをつかむと 「もう、ダメ」 苦しそうに息を吐いた。 「ダメ……?」 「そ。おしまい」
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