Ⅱ

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「ばーか」 和成は、ヒョイと彼女の体を離す。 急に消えた温かさが、無性に寂しい、なんて。 つまらなそうな表情を浮かべてしまう恵美を笑いながら、和成は顔を寄せた。 「そんなにくっついてたら……キス、できない」 「……え」 甘く、切ない感情が、重なる唇から彼に伝われば良いのにとさえ、思った。 自分がどんなに好きなのか。 言葉にしただけじゃ伝わらないんじゃないかと思うと、心配だったから。 どうか、どうか。 「んっ……」 「まだダメ。離れんな」 息もできなくなるような、この感情が。 彼に届くように、願った。
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