Ⅲ

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「さ、佐藤先輩!」 「あ、また『先輩』って言ったー。 はい、減点」 ビシッと人差し指を恵美の鼻先に突きつけて、和成は笑った。 「もう約束忘れちゃったわけー?」 「あ、いや。そういうわけでは……」 恵美は口ごもったが、代わりに里美のほうが口を開くと 「さっきから、一回も先輩のこと名前で呼んでないんですよお?」 余計な情報を提供してしまう。
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