Ⅲ

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彼の反応が、怖かった。 誕生日とか、そういった記念日を重要視するような性格には思えなかったから。 『バカじゃないの?』なんて、一笑に付されてしまうような気さえして、心臓が痛い。 それでも。 「お前、なんで早く言わなかったんだよ」 彼の言葉は、恵美の予想していたどれとも異なるものだった。 「そういうことは、ちゃんと言ってくんなきゃ、わかんねえじゃん。 危うく、スルーするところだっただろーが」 浮かべているのは、いつもと同じしかめっ面なのに。 彼の言葉が胸が胸に染みて。 それだけでもう、泣いてしまいそうだった。
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