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彼の反応が、怖かった。
誕生日とか、そういった記念日を重要視するような性格には思えなかったから。
『バカじゃないの?』なんて、一笑に付されてしまうような気さえして、心臓が痛い。
それでも。
「お前、なんで早く言わなかったんだよ」
彼の言葉は、恵美の予想していたどれとも異なるものだった。
「そういうことは、ちゃんと言ってくんなきゃ、わかんねえじゃん。
危うく、スルーするところだっただろーが」
浮かべているのは、いつもと同じしかめっ面なのに。
彼の言葉が胸が胸に染みて。
それだけでもう、泣いてしまいそうだった。
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