Ⅲ

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「ご、ごめんなさい……」 「で?なにして祝ってほしいわけ?」 俯く恵美の前で、彼は威張ったように胸を張る。 しかし、そんな彼の勢いを止めたのは、里美だった。 「先輩っ。そういうのは、彼女に聞いちゃダメなんですよ」 「は?」 予想外の邪魔者に、キョトンとする和成。 すると、後を続けて彩が口を開いた。 「そうですって。そういうのは、サプライズが大事なんです!」 「そ、そういうもん?」 「もちろん!ってことで……」 と和成の手を引いて、見る間に隅っこへと連行していったのは春香。 「えーと……」 事態が飲み込めずにいる恵美を置き去りに、3人と和成はコソコソと話し始めた。
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