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啓介の言い方に、思わず笑ってしまった。
恐らく彼が気をつかってくれているのだろうと、分かったから。
啓介のおかげで和やかになった雰囲気の中、恵美は言葉を探しながら続けることが出来た。
「脅かされちゃったんですよお。
あの。和成先輩が……ジュリさんと。
えっと……その、キスしてたって。
言われちゃって」
言ってしまってから、一仕事終えたというように力を抜いて、上目で啓介に目をやる。
きっと、またすぐに冗談の一つでも言いながら笑わせてくれる、と期待していたのに。
啓介は、どうしたのか、恵美の見ている前でグラスをひっくり返してしまったのである。
思いがけない恵美の言葉に、手からグラスが抜け落ちてしまったらしかった。
「先輩!?」
恵美はギョッとしながらも、手近にあった紙ナプキンを取り上げて、テーブルに広げた。
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