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「そ、そうかも……」
いくら酒に強くないとは言っても、今日の啓介が、たいしてアルコールを摂取していないことは、恵美も気がついていた。
現に、今、2人が懸命に拭っている液体も、ジンジャーエール。
「先輩ってば……」
なんて笑ってみせても、動揺が隠せないのは恵美の方だった。
啓介はきっと、和成とジュリのことについて、何かを知っている。
しかし。
「啓介先輩。あの、さっきのことなんですけど……」
ようやく綺麗になったテーブルの上で、再び暗い話題を出すのも躊躇われて。
途端に落ち着きをなくす啓介を、じっと見つめてから、とうとう息をはきだした。
「……あ、いえ。なんでもない、です」
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