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「……そう」
それ以上追求しない啓介。
追いかけようともせず、早くも引き返す、恵美。
お互い、なにかしら分かり合ってしまっているのに。
敢えて言葉にせず、飲み込んでしまうのは……怖かった、から。
しかし、引きこもったままの恵美が、啓介はどうにも気に掛かるようだった。
「カズは……なんていってたの?話したんでしょ?」
「はい……。そんなこと、ないって。
あ、あの……私がジュリさんと初めて会った日、いきなり和成先輩にキスしたじゃないですか。
あのことだろうって、言ってました」
「そっか」
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