Ⅲ

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考え込んでしまう啓介の横顔を眺めながら、恵美は彼の言葉を待っていた。 もう、続きなんて言わなくてもいいという思いと、最後まで聞きたいという思いが入り乱れて、もうグチャグチャだった。 そんな中。 「あ、バレちゃってると思うけど……。俺、ちょっと心当たりがあって」 唐突に再開された彼の第一声に、あまりにも大きな衝撃を受けてしまった。 「それは、つまり……」 喉が渇きすぎて、粘膜同士でくっついてしまいそうだ。 「本当に、2人は……キス、してたってことですか」
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