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「じゃあ、やっぱり……」
「うん……たぶん」
2人は顔を見合わせて、唇を歪める。
それから、黙ったまま和成のほうへ顔を向けた。
「和成先輩……」
みるみる声を震わせ始めた恵美に、啓介は慌てた声を上げる。
「……あ、でもっ。
本当に、俺は直接見てないから……なんとも言えないっていうか」
「まあ、そうですけど。でもフミさんの位置からは見えたのかもしれないですし……」
「いやあ。フミさんのことだから、あくまで冗談かもしれないよ?」
啓介が、なんとかフォローしようとしてくれているのは分かっていたけれど。
「いくらフミさんでも……自分の彼女に対して、そんな冗談は言わない気がします」
恵美の言葉は苦々しいものになってしまうのだった。
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