Ⅲ

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「お前のほうが、猫みたいだな」 和成はそう言って、恵美の頭を撫でた。 「だったら、もう猫カフェなんか行かなくていいか。 1匹いれば十分だし」 「ええっ。約束したじゃないですか。絶対、行きますからねっ」 「あー、分かった分かった」 クスクス笑いあって歩く空の下。 恵美は鞄の外ポケットで携帯電話が振動しているのを感じた。 「じゃあ……俺、午前中で講義終わりだから、その後行こーな」 「はいっ」 チラリと目をやると、メールではなく電話であることが、分かる。 そして、『フミさん』と表示された名前を見れば、一瞬、足がおぼつかなくなってしまった。
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