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そして
「それだけじゃないよ。その下も」
彩に促されるがまま視線を落とした先にあったのは、料理の本。
「なにこれ」
今まで考えたこともなかったプレゼントに、喜び半分、驚き半分という奇妙な感情を抱きながら、恵美は本を手に取った。
「『彼氏につくってあげたい料理、ベスト50』……」
「そうっ」
里美が本を取り上げて、パラパラとページをめくってみせながら笑った。
「恵美には、しっかり花嫁修業をしてもらおうと思ってさ。
ほら、そうすれば、佐藤先輩も喜ぶと思うしっ」
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