Ⅳ

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そして 「それだけじゃないよ。その下も」 彩に促されるがまま視線を落とした先にあったのは、料理の本。 「なにこれ」 今まで考えたこともなかったプレゼントに、喜び半分、驚き半分という奇妙な感情を抱きながら、恵美は本を手に取った。 「『彼氏につくってあげたい料理、ベスト50』……」 「そうっ」 里美が本を取り上げて、パラパラとページをめくってみせながら笑った。 「恵美には、しっかり花嫁修業をしてもらおうと思ってさ。 ほら、そうすれば、佐藤先輩も喜ぶと思うしっ」
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