Ⅳ

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「はあ……」 「あれ?受けなかった? もっと笑ってくれると思ったのに」 春香は不満そうだったが、恵美は決して嫌だったわけではない。 それどころか 「ありがとう……本当に嬉しいっ」 と目をウルウルさせながら春香に飛びついたのである。 そして驚く春香には構わずに、彩に里美と次々に抱きついた。 「素敵な友達をもって、私は幸せ者だよお……」 「なにそれ。恵美ってば、大げさ」 里美は呆れたように言っていたが、恵美は分かっていた。 みんなの顔は確かにいつもよりも、ちょっぴり赤くなって、輝いていたのである。
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