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「先輩がっ?」
まさか、本当に連れて行ってくれるなんて思ってもみなかった。
どうせ口約束だけして、当日になれば、うやむやにしてしまうのだろう、くらいにしか思っていなかったのである。
が、恵美は少しでも和成を疑ったことを恥じなければならなかった。
「ここ……だろ」
まだ店の扉を開いただけだというのに、もうウンザリしたような表情を浮かべてはいたけれど。
彼は逃げも隠れもせずに、恵美が中に入ろうとしないのを呆れたように眺めていた。
「なに?早く入れよ」
「は、はいっ」
彼が自分の為に我慢してくれていると思うと、なんだか、もう胸が熱い。
ねこカフェに行きたいなんて、その場の思いつきだったのだけれど、なんて小さな罪の意識を感じつつも、やはり嬉しいものは嬉しかった。
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