Ⅳ

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「そんなに?」 和成は笑ったけれど、恵美はそれを気にしているどころではなくて。 「この中だったら、何が食べたいですか?」 パラパラとページをめくりながら言いつつも 「あ、でも……出来れば簡単そうなのにして下さい」 しっかり注文するのだった。 「なんでもいいけどなあ。 簡単なのって言われても、どれが簡単なのかも分かんねえし」 「そんなこと言わないで、ちゃんと選んで下さいよ? せっかく作るんですから」 恵美が睨むと、彼はちょっと肩をすくめて、真面目な顔で視線を落とした。
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