Ⅳ

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「ぎゅ、牛丼って……」 「ダメなの?」 「ダメじゃ、ないです……けど。なんか……」 イメージと、違う。 「せっかく作るんだったら、もっと……こう、可愛いっていうか、見た目が華やかっていうか……」 モゴモゴと言ってはみたのだが、和成はページの上の方を指さして 「そんなの、お前が作れるの? ほら、見てみな、ここ」 引き寄せられるようにして目をやった先にあった文字。 それは 「『超初心者向け』!」 「これなら、大丈夫でしょ」 「わあっ、これ、いいですね!」 「だろ?」 得意気に笑う和成に、恵美はにっこりと微笑んだのだった。 「決めました!今日は、牛丼です!」
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