Ⅳ

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「なに自分の手柄みたいに言ってんだ。見つけたのは、俺だからな」 「分かってますって!ナイスですよ、先輩っ」 「だろ?」 初めて彼氏に作ってあげる料理という意味では、恵美の頭にあったイメージとはかけ離れた料理ではあったのだけれど。 自分の料理の腕と、調理方法の簡単さを考えれば、文句は言っていられない。 それに 「あー、楽しみだなあ。恵美の料理」 「……そんなに期待しないで下さいよ?」 不安も少なからずあったけれど、和成の嬉しそうな顔を見られれば、それでもういい気がするのだった。 ところが。 和成の家に上がって、なんとか出来上がった料理を前に2人が腰を下ろすまでには、相当な苦労が待ち構えていたのである。
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