Ⅳ

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「へへっ」 途端にニコニコしだす恵美に、彼は呆れたように笑った。 「まあ、味のほうは、まだまだ練習の余地があるな。 家でしっかり腕を磨いとけよ?」 「はーい」 何を言われてもご満悦な彼女に、和成は吹き出すようにしてから、続けた。 「それに……恵美の料理する姿が見れたしな」 「えー?なんですか、それ」 恵美はキョトンとしたが、指をさされて気がついた。 「あ、これも里美ちゃんたちにもらったんですよお。可愛いでしょ?このエプロン」 と、裾を引っ張って広げてみせる。 すると彼は目を細めてそれを眺めてから、呟いた。 「ふうん」
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