Ⅳ

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「いい感じどころじゃないですよ……。 すっごい、いいです!可愛いです!」 「本当に、そう思ってるかあ?」 怪しむような目つきになる和成に、恵美は激しく首を振った。 「本当に思ってます!!」 すると、途端に彼は顔をクシャッとして微笑んで。 手首をつかんでいた指をスルッと離すと、彼女の指に絡め直した。 「あーあ。俺、メッチャ頑張ったわ」 恵美は、どうしても和成の膝の上にいるのが恥ずかしくて、位置を変えたかったのだが。 それには、絡まったままの彼の指が邪魔だった。 だから。 「それはどうも……ありがとうございます」 苦笑いをこぼしながらも、なんとか体勢を変えようと腰を浮かしたのだけれど。 「じゃあさ……」 待ってましたとばかりに伸びてきた彼の腕が、腰にまわされたことで、今度は真正面から和成に向き合う羽目になってしまった。
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