Ⅳ

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「じゃあ、今度は俺の番な」 「へ?どういうことですか?」 慌てたように言う恵美の指ごと、自分の腕を引くと、和成は数センチの距離まで顔を近づけてきた。 いつまで経っても、彼の笑顔に慣れる事ができない自分が悔しい。 もう何ヶ月も一緒にいるのに。 どうして、こんなにドキドキするのだろう。 「だーかーら……」 どうして、彼の声を聞いただけで、耳まで熱くなってしまうのだろう。 そんなことを考えながら、トロンとした目で見上げる先で、和成は意地悪そうな微笑みを浮かべていた。 「俺、こんなに頑張ったんだしさ。 お礼は、言葉以外でくれよ」
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