Ⅳ

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そこから先は、正直に言って彼女の記憶はほとんど途切れ途切れにしか残っていなかった。 和成がフッと鼻で笑ったかと思うと、すぐに唇を押し付けてきて。 呼吸もままならない状態にさせられてしまったところまでは覚えているのだけれど。 そのあと、もう頭が真っ白になってしまった恵美が、抱きかかえられるようにしてベッドに押し倒されたところでプッツリと意識が途絶えてしまって。 次に彼女が目を開いた時、見えたのは白い天井で、そこが和成の部屋のベッドの上だということさえも、すぐには分からなかったほどである。 「あれ……?」 夢見心地に呟いて、ゆっくり体を起そうとしても、体が重くて動かない。 というよりも、重しが乗っていて、彼女の体をがんじがらめにしていた。 「……せ、せんぱいっ?」
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