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彼の言葉に、なんとなく事情が分かった気がして、恵美は赤くなりながら頷いた。
「そ、そういうことだったんですね。
じゃあ、今のは……先輩は寝ぼけてて……」
モゴモゴと口の中で言うと、和成は彼女に向き直った。
「寝ぼけてた?俺、もしかして何か……した?」
「ま、まあ……ちょっと?」
「ちょっと?
うわあ、マジかよ……」
和成は頭を抱えるようにして、丸くなったまま動かなくなった。
まるでダンゴ虫のような格好に、堪えきれない笑いを押し殺して、恵美は言う。
「どうしたんですか?」
すると彼は
「どうせ寝ぼけてたんだったら、もっとスゲー事、しとけば良かったなあ」
と恵美を驚愕させるようなことを言ってのけるのだった。
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