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「そんなこと言ってると、本当に襲っちゃうからなー」
ぷにっと恵美の唇を押して、彼は目を細めた。
「でも、あんなキスくらいで、ぶっ倒れるくらいじゃ……まだまだお預けだな。
これ以上は、恵美には刺激が強すぎるし」
「そ、それは……そうかもしれないですけどっ。でも!」
恵美は必死に食い下がった。
しかし、彼女が真剣になればなるほど、顔は赤くなり、目は潤んで。
感情はコントロールできなくなってしまうほど、高ぶってしまう。
そんなの全てお見通しだとでもいう口調で、和成は恵美の頭をぐりぐりと撫で回した。
「はいはい。分かったって。
でも、まだお子ちゃまには早いんだよ。このチンチクリンが」
「チンチクリンって……」
もう泣き出しそうになる。
恥ずかしいくらいの本音を口にしてしまったのに、それをからかうような言葉で終わらせては欲しくなかったから。
真面目に受け止めてくれないことがショックで、胸が痛む。
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