Ⅳ

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「そんなこと言ってると、本当に襲っちゃうからなー」 ぷにっと恵美の唇を押して、彼は目を細めた。 「でも、あんなキスくらいで、ぶっ倒れるくらいじゃ……まだまだお預けだな。 これ以上は、恵美には刺激が強すぎるし」 「そ、それは……そうかもしれないですけどっ。でも!」 恵美は必死に食い下がった。 しかし、彼女が真剣になればなるほど、顔は赤くなり、目は潤んで。 感情はコントロールできなくなってしまうほど、高ぶってしまう。 そんなの全てお見通しだとでもいう口調で、和成は恵美の頭をぐりぐりと撫で回した。 「はいはい。分かったって。 でも、まだお子ちゃまには早いんだよ。このチンチクリンが」 「チンチクリンって……」 もう泣き出しそうになる。 恥ずかしいくらいの本音を口にしてしまったのに、それをからかうような言葉で終わらせては欲しくなかったから。 真面目に受け止めてくれないことがショックで、胸が痛む。
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