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「……ねぇ流風、ちょっと聞いてもいい?」 「え゙、な、何?」 相変わらず至近距離にある可奈の顔は見られず、今度は寄り目じゃなくて伏し目だ。 「坂本先輩と、キスはした?」 顔面が爆発して弾け飛んだかと思った。 何でそんな事聞くのー!? って言おうと思ったら、3人の顔は超真剣で、漂う空気は茶化している様な感じは全く無く。 おまけに何だか心配そうな顔にも見えたり。 コレは真面目に答えなくちゃ駄目だよね。 「・・・・し、した」 俯いて、マスクをした蚊が鳴いた位の声で答えた。 またちゃんと聞こえたみたいで、小さく息を吐いた音とホッとした気配が流れてきて、私までホッとして何だかドッと疲れた。 「幾ら何でもそりゃそうだよね」と美夜の呟きが聞こえてきた時にはギクリとしたけども。 だって、1度しかした事無い。 坂本先輩と……キス。
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