冬桜《パソコンver》

17/227
前へ
/227ページ
次へ
 副店長は一度唇を離して言い、クスクスと笑った。僕は悔しくて彼女の唇に重ねて舌を割り入れた。やり方なんて分からない。僕は彼女の舌になりふり構わず絡めた。少しして彼女の舌が僕の舌を押し返して僕の口内に入る。副店長は僕の唇の裏側や歯茎を優しく撫でて、舌先で僕の舌を突いた。僕にキスの仕方を教えるように。  彼女の唇が再び離れる。彼女は僕の首からも手を離し、玄関の明かりをつけた。パンプスを脱ぎ、中に入って行った。僕もスニーカーを脱ぎ、あとに続く。部屋にはテーブルとソファ、テレビにクローゼットに、そしてベッドがあった。彼女はエアコンのスイッチを入れて明かりをつける。コートを脱ぎながら、もう一つある部屋に行こうとした。 「向こうの部屋も暖房入れて、布団の用意してくるね。ちょっと待ってて」  そう言って僕の目の前を過ぎようとしたとき、僕は彼女をぎゅうっと抱き留めた。そんなずるい。あんな大人のキスをして、今更ヤリませんなんてずるい。僕は彼女の唇を奪うように重ねた。さっき教えられた通りに舌を動かす。唇をなぞり、割り入ると裏側をなぞり、歯茎をなぞり、舌を突く。副店長は観念したのか突き放そうとした腕を緩めて舌も体も僕に委ねた。僕は彼女の上着を脱がして床に落とし、唇を離してブラウスのボタンを上から順に外そうとした。  自分の指先が震えてるのが見える。だって突然訪れた初めての機会にどうしようもなく焦っていた。なんとかボタンを全て外して、背中に手を回して下着のホックを外す。緩んだ肩紐に触れると肩から落ちた。白い膨らみが現れる。僕はパニックになっていたのに、手は無意識に胸に伸びて包むように触った。すごく柔らかくて気持ちよくて、思わず揉んだ。  初めて見る女性のハダカ。初めて触る膨らみ。副店長はそんな僕を見透かしたように、「ここじゃなくてベッドで抱いて?」と優しく誘った。僕は「す、すみません」と謝り、彼女を抱き上げてベッドに下ろし、横たわった彼女からスカートもストッキングもショーツも脱がした。「私だけ裸じゃ恥ずかしいから榎並くんも脱いで?」と優しく言われ、僕は再びすみません、と謝ってベッドを下りた。着ていた服も下着も脱ぐ。僕のそれは恥ずかしいくらいに大きくなって反り返っていた。
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1543人が本棚に入れています
本棚に追加