冬桜《パソコンver》

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 副店長は優しかった。焦る僕とは対称的にゆっくりと僕を傷付けないよう言葉を選んでリードする。僕にベッドの淵へ腰掛けるよう言い、彼女はベッドから降りると僕の前でひざまずいた。  僕の膝に手を当てて開き、間に入る。それに手を添え、透明な液が滲み出た先端に優しくキスをした。そのまま唇で包み込むように這わせて奥までくわえ込む。ゆっくり浅い部分まで戻し、再びゆっくり奥まで滑らせた。時々、上目遣いに僕を見てる。  副店長は速さを徐々に上げた。思わず声が出る。我慢出来ない。副店長を止めるべきなのにどうやって伝えるのか分からなくて、そんなこと考えてるうちに口の中に放出してしまった。 「す、すみませんっ!、ぼ、僕……」  副店長はそのまま飲み込んでたようだった。再び舌先が僕に触れるとそれは反応した。  僕のが再び大きくなると彼女はベッドに横たわり、来て、と僕を誘った。僕もベッドに上がり、軽く開かれた彼女の膝の間に座る。手を彼女の耳の脇につく。とりあえずそれらしきところに当ててみる。押してみるけど全く入り込む様子がない。何度も何度も突いてみるけど当たるのは壁のような皮膚ばかり。見兼ねた副店長はそれに両手を添えて僕を導いた。おっかなびっくりに押し当てると、僕のがゆっくりと吸い込まれる。副店長は眉をしかめて声を漏らした。僕は変なところに差し込んだのかと思い、すいません、と謝った。ううん、違うの、もっと腰を落として、と囁くように言い、僕のそれがこれ以上行かないところまで差し込まれると、副店長は僕の顔を見て瞳を潤ませた。 「榎並くん、どう?」  すごく柔らかい笑顔だった。綺麗で艶っぽくて。 「暖かくて気持ちいいです……あの、副店長は?」  接客のときに見る笑顔とはまた違う。その微笑んでる彼女を見て、僕に満足してるのかと思ったのも束の間だった。少しして副店長はクスクスと笑い始めた。 「そうね……可愛い」  僕は落ち込んだ。そりゃあ初めてだし、下手かもしれないけど、あからさまにそう言われてショックだった。男を否定されたようで悲しくなった。  僕の浮かない表情に気付いたのか茶化すように僕を締め付けて動くよう促してきた。
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